下痢を起こしやすい糖類


下痢を起こしやすい糖類

食後の下痢や過敏性腸症候群で困っている方は、「小腸で吸収されない糖」をなるべく摂らないことが重要です。

 

▶ラクトース(乳糖)

牛乳に含まれるラクトース(乳糖)は、乳糖分解酵素「ラクターゼ」によって、ブドウ糖とガラクトースに分解されます。しかし、小腸におけるラクターゼの活性は出生直後にピークに達し、生後1年半~4年の間に徐々に低下して、成長とともにほとんど失われてしまいます。日本人の成人の約85%が「乳糖不耐症」で、牛乳を飲むと下痢や腹部膨満、腹痛などがおきます。

 

▶フラクトース(果糖)

フラクトース(果糖)は、消化酵素ではなく、ブドウ糖によって吸収されます。つまり、果糖とブドウ糖が1:1であれば吸収されます。果物やハチミツ、スポーツドリンクなどは、ブドウ糖より果糖のほうが多く含まれているため、果糖があまり吸収されず、そのまま大腸に達します。清涼飲料水に含まれている「果糖ブドウ糖液糖」も同じです。

 

▶フラクタン

小麦をはじめ、豆類、アスパラガス、ネギ、玉ネギ、ニンニク、アガベなどに含まれている「フラクタン」も、小腸から吸収されず、そのまま大腸に達します。

 

▶人工甘味料

糖質ゼロやカロリーオフを謳ったダイエット食品や飲料などによく使われている人工甘味料も、小腸から吸収されず、そのまま大腸に達するため、下痢を起こしやすい糖です。例えば、アスパルテーム(商品名「パルスイーツ」)、アセスルファムカリウム、キシリトール、ソルビトールなどです。

 

▶ガラクタン、イヌリン

その他、里芋や寒天に含まれる「ガラクタン」や、菊芋やゴボウに含まれる「イヌリン」なども、小腸から吸収されず、そのまま大腸に達します。