虫歯と歯周病を防ぐには


虫歯と歯周病を防ぐには

 食事をすると、口内に虫歯の原因となるミュータンス菌が増殖して、その細菌が「砂糖」などの糖質を分解して「酸」が生み出されます。その酸が歯の表面のエナメル質を溶かします。この歯の溶解は、食べ始めて3分後には始まっています。

 食後、歯のエナメル質が溶けているときに歯をみがくと、エナメル質が剥離して、虫歯や歯周病に罹りやすくなってしまいます。

 

 細菌によって生み出された酸は、「唾液」で中和されます。そしてリン酸カルシウムが歯に沈着して、歯のエナメル質が修復されます。この歯の修復は、食べ終わって2030分後に始まります。つまり、「唾液」は歯を守っているのです。

 つまり、食後に歯をみがくのは、唾液を洗い流してしまう自虐行為なのです。かつて「食後3分以内に、3分以上、毎日3回歯をみがく」という歯みがきキャンペーンが行われましたが、それはまだ唾液の効用が知られていなかったころの時代遅れの常識なのです。

 

 食後に効果的なのは、舌をよく回して、唾液をすべての歯に行きわたらせることです。デンタルフロスや歯間ブラシで歯間に詰まったカスを取り除くのも、唾液を歯間に流入させるためです。

 ちなみに、歯垢(歯石)は歯周病菌の塊です。歯垢は「バイオフィルム」と呼ばれる多層構造になっていて、表面を特殊なタンパク質が覆っています。そのためエタノールなどでは、歯周病菌を殺菌できません。バイオフィルムの細菌を殺菌できるのは、は、OHA水(高濃度次亜塩素酸水)とIPMP(イソプロピルメチルフェノール)などがあります。