眼のトラブルと栄養素


眼のトラブルと栄養素

ビタミンB1

 眼精疲労は視神経の疲労で、神経エネルギー(ATP)の不足によっておこります。ATPは、視神経細胞内のミトコンドリアによってブドウ糖から生成されますが、その際に不可欠なのがビタミンB1です。

 

ビタミンA

 ビタミンAが不足すると、夜盲症や角膜乾燥症になります。

 ビタミンAは、網膜でオプシンというタンパク質と結合して「ロドプシン」という光を感知する光受容物質になります。ビタミンAが不足すると、網膜のロドプシンが減って、暗い所で光を感じにくくなるため夜盲症になるのです。

 またビタミンAが不足すると、角膜乾燥症、角膜軟化症、結膜軟化症といった症状が現れることもあります。ビタミンAは、角膜や結膜を丈夫に保つためにも重要なのです。

 角膜が乾燥すると、角膜の表面に小さな傷ができて「ドライアイ」になり、目に痛みを感じやすくなります。

 

アントシアニン

 アントシアニンはブルーベリーに含まれるポリフェノールで、「疲れ目や近視に効く」と言われていますが、残念ながら効きません。アントシアニンは、光を感知する「ロドプシン」の再合成を助ける働きがあるため、暗い所で目がよく見えるようにはなります。

 

ルテイン

 モノを見るときに中心的な働きをする「黄班(網膜の中心)」と、レンズの役割を担う「水晶体」は、いずれも老化によって劣化します。

 黄班が変性すると、ゆがみや視野欠損が生じます。

 水晶体が劣化すると、ピント調整機能が低下して手元が見えづらくなる「老眼」が進行します。また水晶体が白濁すると、「白内障」になります。

 ルテインを摂取すると、目に集まります。特に「黄班」と「水晶体」に集中する性質を持ち、黄班や水晶体の劣化を強力に抑制する作用があります。

 また、ルテインには、スマホや液晶テレビが発するブルーライトのダメージを軽減する作用もあります。ルテインは黄色の色素成分で、黄色は青の補色なので、目に入ってくる青い光を吸収してくれるのです。

 さらに、ルテインには、活性酸素を除去する抗酸化作用もあります。

 つまり、ルテインは、「目に集まる」「ブルーライトのダメージを軽減する」「活性酸素を除去する」といった総合的な作用で、人間の目を守ってくれるのです。

 

 ルテインは、マリーゴールドという黄色の花をはじめ、ホウレン草やゴーヤ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。目の健康を保つルテインの日当たりの摂取量は、10㎎。ホウレン草に換算すると、おひたし一人前に満たない量で摂取できます。 

 

ビタミンC、ビタミンE

 網膜は、ビタミンCとビタミンEに富んでいます。ビタミンCは視細胞の内外の酸化を防ぎ、ビタミンEは視細胞の細胞膜の酸化を防いでいます。