アレルギーのメカニズム


アレルギーのメカニズム

 アレルギーがおきる基本的なメカニズムは、次のようになっています。

 

①アレルゲンが、皮膚や粘膜(目・鼻・口腔・気管支)から侵入する。

②そのアレルゲンに対するIgE抗体が、血液中で増える。

IgE抗体は血液中で、免疫細胞の「肥満細胞」に結合している。

④再びアレルゲンが侵入すると、アレルゲンとIgE抗体が結合する。

⑤すると肥満細胞から、ヒスタミンなどの炎症性物質が放出される。

⑥ヒスタミンが皮膚や粘膜の細胞と反応して、炎症がおきる。

 

 炎症が起きた部位によって、「アレルギー性○○炎」と名称が変わりますが、基本的なメカニズムは変わりません。

 アレルギー症状に対して処方される薬が、アレルギーのメカニズムに働きかける仕組みは、次のようになります。 

 

・一般的な「抗ヒスタミン剤」は、⑥のプロセスを阻害して、アレルギー反応を抑制するものです。つまり、細胞の表面にあるヒスタミン受容体をブロックして、ヒスタミンが皮膚や粘膜の細胞の表面に結合できないようにさせているのです。

 

・「アレグラ」のような第2世代抗ヒスタミン薬は、⑤のプロセスを阻害して、肥満細胞からヒスタミンが放出されるのを抑制するとともに、放出されてしまったヒスタミンの作用を抑制し、さらに炎症をおこしてしまった細胞にも炎症を抑制する作用があります。つまり、①ヒスタミンの放出抑制、②ヒスタミンの作用抑制、③抗炎症作用といった3つの働きで、アレルギー症状を抑制するわけです。

 ただし、飲んですぐ効く即効性はなく、何週間か毎日飲み続けることで徐々に症状が出にくくなるという薬です。

 

 しかし、アレルギー体質になる根源的な理由は、血液中にIgE抗体が多いことです。IgE抗体が250IU/ml以上でアレルギー体質になるとされていますが、10000IU/ml以上という人もいます。

 アレルギー体質を改善するには、「IgE抗体を減らす」ことが必要なのです。