セミナーレポート「健康寿命は“首”で決まる」


足立区倫理法人会セミナーレポート「健康寿命は“首”で決まる」

 320日、東京都足立区倫理法人会の経営者セミナーで、「健康寿命は“首”で決まる」と題して1時間20分講演をさせていただきました。会場は北千住駅の駅前マルイの10階で、45名お集まりいただきました。

 

 首をゆるめるだけでも、全身に様々な効果があることを説明しました。

①「肩の痛み・腕のしびれ・胸の痛み」などといった症状は「頸髄症」といって、頸椎の変形によって脊髄が圧迫されるとおこります。頸椎の変形を防ぐ秘訣は、日常の姿勢にあります。とりわけ、腰かけているときの姿勢です。頭を前に倒して勉強やデスクワークをしていたり、スマホを使ったりしていると、頸椎に大きな負荷がかかり続けて頸椎を変形させてしまうのです。

 頸椎の変形を防ぐ姿勢の秘訣は「重心の位置」にあり、骨格模型の写真で説明しました。すると全員シャキッとして、居眠りをしている方がいなくなりました。

 

②首は、脳への血流にとっても重要です。「頸動脈」や「椎骨動脈」の血流が悪くなると、脳をはじめ歯茎や鼻、耳、目などといった器官も機能が低下します。すると心臓は、血液をもっと送ろうとして血圧を高くします。その結果、脳溢血や緑内障のリスクが増します。

 首や肩を「揉む」と、筋肉内の微細な血管が内出血して「血栓」ができるため、脳梗塞や心筋梗塞になる恐れもあります。「揉みほぐし」ではなく、「揉み壊し」ているのです。

 

③首は、自律神経を整える急所でもあります。首には、交感神経と副交感神経(迷走神経)が通っているからです。迷走神経は胸部・腹部全体に分布して、内臓の機能を良好に保つ働きをしています。首(迷走神経)をゆるめるだけでも、内臓の調子が良くなるのです。

 

 こういった内容を、話だけ聞いてもあまりイメージできないでしょうから、スライドを使って説明しました。頚腕神経叢のイラストを見れば、首と腕の関係性が一目瞭然です。また頸動脈と椎骨動脈のイラストを見れば、脳や口や目などにとって首がいかに重要であるか一目瞭然です。そして自律神経のイラストを見れば、迷走神経が胸腹部の内臓全体に分布して、内臓全体に影響することが一目瞭然です。

 「スライドのおかげで首と全身との関係がよく理解できた」と、参加者に喜んでいただけました。

 最後に、硬くなった首を安全にゆるめる方法を披露しました。首が痛くて、左右に45度ほどしか向けなかった男性に、1分ほど首にオイルをすり込みました。するとすぐにゆるんで痛みがなくなり、真横に向けるようになりました。この即効性に、会場全体とても驚いていました。