驚きの健康食材「オリゴ乳酸」


オリゴ乳酸とは?

 オリゴ乳酸(LAC:Lactic Acid Compound)は、乳酸が直鎖状に4~20個程度つながったもので、通常の乳酸と違って様々な機能性を発揮します。

 

腸内環境を改善し、便通を改善する

 オリゴ乳酸は、腸内のビフィズス菌を増やして腸内環境を改善し、便通を改善します。

 「トクホ」のオリゴ糖や難消化性デキストリンが1日一人当たりの摂食量を1~10グラムとされているのに対して、オリゴ乳酸は1日わずか0.3グラムで効果が得られることが明らかになっています。

 カンズ研究開発が行なった、健常者22名の女性を「オリゴ乳酸を摂取した群」11名と「摂取しない群」11名とに分けた二重盲検試験で、オリゴ乳酸(300mg/日)摂取群は平均排便回数と平均排便量が2週間で1.5倍に増えました(ⅰ)。

 また、日本人健常女性200名に1日300mgのオリゴ乳酸を28日間摂取した試験においても、便秘傾向が大幅に軽減されました(ⅱ)。 

 

 腸内環境が改善することで「腸管内のポリアミンの産生」が増えるため、アンチエイジング効果も期待できます。

 ポリアミンとは、すべての細胞内でつくられる物質で、細胞の増殖・分裂に深く関連しています。老化は、ポリアミンを自分の細胞でつくれなくなることから始まるため、ポリアミンが健康の維持増進に必須の物質です。

 ポリアミンは、納豆や醤油、味噌などといった発酵食品にも多く含まれていて、腸管のバリア機能(粘液分泌・抗体sIgA産生)を高めて炎症性物質やアレルゲンの侵入を防ぐ働きもあります。

 

抗肥満作用

 オリゴ乳酸は、ミトコンドリアの機能を高めて肥満を防ぐ効果もあります。

 麹町クリニックで実施された「壮年期日本人男性(55歳~64歳)の内臓脂肪肥満(メタボリック・シンドローム)予備軍に対する二重盲検試験でのオリゴ乳酸の生理機能試験」で、55歳~64歳の内臓脂肪肥満の健常日本人に、オリゴ乳酸1日300㎎を3ヶ月続けて摂食した結果、血中の脂質量が有意に下がり、かつ酸化ストレスも有意に抑制されました(ⅲ)。 

 

 

 腸内環境の改善以外にも多彩な可能性が、東海大学AD-3研究会から発表されています。

 『オリゴ乳酸物語』長戸康和・村山千恵子・村上正裕著(東海大学出版会)から、一部をご紹介します。

 ただし、以下に紹介する効果は試験管内や動物実験で確認されたもので、ヒトでの臨床試験はまだ行われていません。

 

中性脂肪抑制効果

 オリゴ乳酸は、ミトコンドリアを増加させて脂肪の燃焼を促し、体温を上昇させます。

 

血糖値降下作用

 オリゴ乳酸は、インスリンを分泌する膵臓β細胞を保護するとともに、肝臓や筋肉に貯蔵されるグリコーゲン量を増やすことによって、血糖値の上昇を抑制します。

 また、筋肉のグリコーゲン貯蔵量が増えることによって、運動持久力が向上します。

 

アレルギー軽減効果

 モルモットにスギ花粉抽出抗原を吸入感作させ、さらに22回反復して作製した「花粉症モルモット」に、オリゴ乳酸を経口で1週間与えて、再び抗原(アレルゲン)に感作させた実験で、即時性鼻閉が約60%、遅発性鼻閉が50%抑制されました。

 この実験から、オリゴ乳酸が「ヒスタミンによる過敏症状を抑制する」ことが分かりました。ヒスタミンによっておきる花粉症や気管支喘息、皮膚炎などにも、効果が期待できます。

 

胃潰瘍予防効果

 オリゴ乳酸は、ピロリ菌の増殖を抑制するとともに、ストレスによる胃粘膜損傷を軽減する効果があるため、胃炎や胃潰瘍の発症を抑える効果が期待できます。

 

腫瘍抑制効果

 オリゴ乳酸は、1982年に田島知之(東海大学医学部)らのグループが、ガン細胞(HeLa細胞)の培養液中に「腫瘍自殺因子」が存在することから発見されました。

 その後、北海道大学大学院の高橋孝行教授による遺伝子発現に関する研究で、転移に関するMMP(マトリックスメタリプロテアーゼ)に対して効果的に働いて、オリゴ乳酸が「転移を防ぐ」効果が確認されました。

 長戸康和医学博士(東海大学医学部非常勤講師)を中心にしたオリゴ乳酸とガンに関する研究で、「ストレスによるリンパ球の減少を防ぐ」効果も確認されました。つまり、免疫力の賦活作用によって、ガンの進行を遅らせる可能性があるのです。

 またオリゴ乳酸には、嫌気的解糖系の酵素活性を抑制する働きがあり、それによってガン細胞の活力を弱めることができると考えられています。

 

放射線防護効果

 放射線による健康被害は、放射線が水分子を分解し、活性酸素を生じさせ、この活性酸素が生体分子(特にDNA)を傷つけることによって引きおこされます。

 オリゴ乳酸は、放射線によって生じる活性酸素(一重項酸素)の活性を消去するとともに、リンパ球のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性を増強することで、放射線に対する防護効果を発揮します。

 

「機能性食品と薬理栄養―健常女性を対象としたオリゴ乳酸(LAC)摂食による便通改善効果の二重盲検比較法で行った用量設定試験」No.5(2011 VOL.6)インフォノーツ パブリッシング

 

ⅱ「機能性食品と薬理栄養―オリゴ乳酸(LAC)の健常日本人女性における日本語版便秘評価尺度を用いた便秘評価の試用アンケート調査試験」No.6(2011 VOL.6)インフォノーツ パブリッシング

 

ⅲ「壮年期日本人男性(55歳~64歳)の内臓脂肪肥満(MS:metabolic syndromes)予備軍に対するオリゴ乳酸(LAC)の生理機能試験」2016年度版 健康美容素材エビデンスカタログ